2018年(平成30年)注目の「賃上げ減税」で、実質法人税が25%に!?

c180330_img01

2018年度の税制改正が発表され、「賃上げ減税」が注目を集めている。大企業では3%、中小企業では1.5%の賃上げを前提に法人税を引き下げる。その内容は「アメとムチ」とも言えるものになっているが、果たしてどのような結果を生むのだろうか。

1.2016年度の内部留保は過去最高の406兆円

2017年に公表された企業統計では、企業が得た利益から株主への配当などを差し引いた利益剰余金は406兆2348億円と、過去最高を更新した。日本の景気は回復され続けているが、企業の「内部留保」は積みあがっている。
この内部留保を設備投資や従業員の賃金アップに使うように向けた対策が、今回の減税案となった。この施策に対し、積極的に賃金や投資に回す企業を優遇し、消極的な企業は逆に冷遇する「アメとムチ」とも言えるのが今回の政策である。
また、今回の税制を利用して賃上げを実現し、個人消費の拡大につなげて経済の好循環を実現される狙いを持たれている。

2.大企業と中小企業で異なる減税条件

企業規模によって、今回の税制メリットを享受できるかどうかは変わってくる。
というのも、表にあるように大企業と中小企業で要件や措置が変わってくるのだ。
c180330_img02
(画像参照:産経ニュース:企業減税ずらり、賃上げ・投資拡大後押し 消極的企業は冷遇

大企業に求められる条件は3%。実はこの数値は1994年以来、実現していない。

日本経済新聞の主要企業調査では月給ベースで3%以上賃上げをした企業は22%だった。減税の適用には会社の支給総額でも前年度を上回る必要がある。働き方改革で残業代を減らしたり、構造改革で人を減らしたりした企業は適用を受けにくい。
しかも資本金が1億円以上の大企業なら国内の設備投資が減価償却費の90%以上という条件も満たさなければならない。「前年度に大規模な設備投資をした企業は厳しいだろう」と大和総研の是枝俊悟研究員は見る。
日経新聞:賃上げ減税 中小は歓迎

3.法人減税は年々増え続ける社会保険料を考慮しても有効な施策となるか

ただ、忘れてはならないのが社会保険料である。年々増加をする社会保険料は、労使折半であり、賃金を上げればその分負担が大きくなる可能性もある。

短期的には3%の賃上げであれば1等級あがるか全く変わらないかで大した負担にはならないだろう。一方、長期的に考えると、今回の減税措置が3年という期間限定に対して社会保険の等級はずっと上がったままである。
給与を上げる分には十分な説明がなくとも従業員は納得するだろうが、給与を下げる場合には納得のいく説明が必要だろう。そう考えると月給ベースでの3%賃上げは意外と大きな負担となるかもしれない。

一方、この減税策は月額給与に決まったものでなく、総支給額でアップしていればよい。つまり賞与や手当を含めても構わないということだ。単純に月額給与を増やすことに抵抗がある場合には、うまく賞与や手当を活用してみるとよいかもしれない。

4.まとめ

企業の大きな負担となる法人税や人件費。しかし、法人税はコストだが、人件費は発想を変えれば投資にも繋がる。税制として決定された以上、自社でどのように運用するのが望ましいか一度考えてみてはいかがだろうか。

参考
産経ニュース:企業減税ずらり、賃上げ・投資拡大後押し 消極的企業は冷遇
日経新聞:賃上げ減税 中小は歓迎

お問い合わせ

御社の業務内容に合わせたご提案を致します。
電話番号:03-6661-0075 営業時間:10時00分~18時00分

主な業務カテゴリー/Category

ゼネラル・パーチェス株式会社
お問い合わせはこちらから