COLUMNコラム

下請業者の10%は「建設業許可」が取り消される!?国土交通省が社会保険の義務化を決定

労働人口の減少が問題となっているが、その中でも特に建設業界での人手不足は深刻だ。
建設業従事者約330万人と言われるが、60歳以上が全体の約25%を占める一方で、30歳未満は約10%にとどまる。この原因を福利厚生の不十分さや休みの取りづらさと見た国土交通省は、労働環境の改善を目的として「社会保険の加入義務化」を決定した。

1.社会保険の加入はどのように労働環境へ影響を及ぼすのか

「社会保険」と耳にすることは多いが、一体どんなものが含まれているのかご存じだろうか。
広義で言うと「労災保険」「雇用保険」「健康保険」「厚生年金保険」が含まれる。

・労災保険
業務上の事由又は通勤による労働者の負傷・疾病・障害又は死亡に対して労働者やその遺族のために、必要な保険給付を行う制度である。
主には下記がある。
療養補償給付、休業補償給付、障害給付、遺族給付、葬祭給付、傷病年金、介護給付、二次健康診断等給付。

・雇用保険
雇用保険は大きく以下2つの目的を持つ雇用に関する総合的機能を有する制度である。
1.労働者が失業してその所得の源泉を喪失した場合、労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合及び労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に、生活及び雇用の安定と就職の促進のために失業等給付を支給
2.失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の増大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図るためのニ事業を実施

主には下記がある。
失業等給付(求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付、雇用継続給付)

・健康保険
健康保険に加入することにより、被保険者やその被扶養者が病気やけがをしたとき、出産や死亡をしたときに必要な保険給付等が受けられる。医療給付や手当金などを支給して、生活を安定させることを目的とした制度である。

・厚生年金保険
厚生年金保険は、被保険者が年をとって働けなくなったり、病気やけがで障害が残ったり、不幸にして亡くなり、 遺族が困窮した場合に保険給付を行い、被保険者とその遺族の生活を救済することを目的としている。年金制度に加入し、一定の要件を満たすことにより、老齢、障害、死亡の場合に、それぞれ老齢年金、障害年金(又は障害手当金)、遺族年金等が支給される。

2.建設業における社会保険の加入率

2011年10月時点で社会保険(雇用保険、健康保険、厚生年金保険)に加入している建設業の割合は業界全体で84%であった。国土交通省が建設業の社会保険加入率100%を目指した結果、2017年10月時点では97%に上昇した。
しかし、内訳をみると元請業者では98.2%が加入しているものの、下請けの次数が重なるほど加入率は低下し、3次下請けでは90.5%にとどまった。
日本経済新聞:社会保険の未加入社、建設業許可更新せず 国交省方針

建設業では国や自治体が5年に1度、経常収支報告書や技術責任者の配置状況などを必要な書類を審査して更新している。今後、ここに雇用保険、健康保険、厚生年金保険の保険料の納付証明書の提出も義務付けていく予定だ。

参考
労災保険給付の一覧
雇用保険制度の概要
健康保険制度の目的
厚生年金保険の基礎知識
日本経済新聞:社会保険の未加入社、建設業許可更新せず 国交省方針

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