COLUMNコラム

地域電力会社のままだと損をする?2017年、関西の公共施設の電気料金は「新電力」が7割落札。

2017年の公共施設向け電力入札の結果、関西では7割を関西電力以外が落札した。
関電以外の割合は5年前と比較し、25ポイント上昇。価格競争が激化し、勢いづく新電力市場について考える。

1.2013年に決定された電力システム改革

今から5年前、(*1)電力システム改革が閣議決定された。これは戦後1951年に地域独占に基づいて発電・送電・配電のすべてを統合した(*2)9社(北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力)による地域電力会社が独占していた市場から競争力を高めることを目的としていた。
当時、大きく3つの目的、柱として下記が挙げられた。

改革を行う3つの目的

・安定供給の確保
・電気料金の最大限抑制
・電気利用の選択肢や企業の事業機会の拡大

改革の3つの柱

・地域を超えた電気のやりとりを拡大(2015年)
・電気の小売を全面自由化(2016年)
・送配電ネットワークの公平な利用(2020年)

3つの柱のうち、2つは既に実施をされた。さらに2020年の送配電ネットワークを法的に分離することで小売電気料金の規制が原則的になくなる。

*1

「電力システム改革に関する改革方針」(平成25年4月2日閣議決定)において、①広域系統運用の拡大、②小売及び発電の全面自由化、③法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保という3段階からなる改革の全体像が示され、第1弾、第2弾、第3弾の実施に必要な措置を定めた電気事業法改正案が、それぞれ、第185回臨時国会、第186回通常国会、第189回通常国会において成立した。
参照:電気事業制度について

*2

沖縄電力は、1954年アメリカ軍による統治下にあり、琉球電力公社として発足した。それを1972年の沖縄本土復帰時に国と沖縄県が出資する特殊法人として再編したものが沖縄電力である。よって上記の1951年に再編された当初は電気事業連合会には加盟していなかったのだが、1988年の民営化に伴って沖縄電力も加盟し、現在では10電力体制となる

2.2017年の入札実績

今回、記事に上がったのは関西地方における公共施設向けの電力入札。
実績として約205億円の落札があり、そのうち約100億円が新電力会社、残りの約105億円を関西電力が落札をした。金額こそ関西電力が50%以上を占めているが、落札数で考えれば262件のうち、関西電力は82件で31%、新電力(177件)と中国電力など関電以外の電力会社(3件)を合わせた割合は69%だった。

関西電力は京都大学や郵便局、国立病院など大型案件では落札をしているが、その他の案件では割高となり、落札を逃した。

3.原子力発電が再稼働すれば価格競争が高まる

関西電力が注目しているのは、原子力発電の再稼働だ。現在、福井県の高浜原発3、4号機が運転中で、来週の14日以降には大飯原発3、4号機も再稼働をしていく予定だ。
原子力発電を用いることで安価で発電ができるようになり、中部電力や中国電力では原子力発電の再稼働見込みは立っていない。

新電力会社も原子力発電によって発電されたうち一定の割合の電力を日本卸電力取引所(JEPX)から仕入れることができる。今後は地域の枠を超えた競争も激しさを増していくだろう。

法整備が進み、公共施設でも多くの導入が始まっている電力市場。
選択肢が増えた現代、まだ新電力会社との比較をしないことは、損をし続ける結果となるかもしれない。

一般社団法人 日本卸電力取引所(JEPX)とは?

JEPXは電力自由化の流れを受けて設立した日本で唯一の電力取引市場です。2003年に経済産業省電気事業分科会の答申を受け、電力会社や新電力会社の出資により設立し、2005年から取引を開始しています。会員(会社)のみが市場での取引が可能な卸市場ですので、消費者や需要者が直接電気を買うことは出来ません。市場が開設した当初の会員数は27社でしたが、2017年現在は300社を超え、新規に加入した事業者及び地域電力会社の子会社も含め活用している取引所です。2018年の日本卸電力取引所(JEPX)の全体の電気供給量に対してのシェアは10%程となっているそうです。

参考

関西の公共施設向け電力、新電力の落札7割 17年
電力システム改革が創り出す新しい生活とビジネスのかたち

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